コロナウイルス感染症を懸念して、イベントがすべて中止となってしまった2020年度でしたが、最後のとりねつサークル発表会は例年通りの開催を決定しました。

前半の司会を担当した吉岡課長が開会を宣言し、馬田専務から開会の挨拶と採点方法等のルール説明がありました。

 

　　

 

 最初は設備サークルの発表で、青木リーダーが担当しました。設備サークルでは同課に出された課題に対して、設備の突発停止の件数や時間、トリクロロエチレンの廃液の削減に取り組んでいました。

洗浄機の構造解説して、冷却水の配管構造を変更した報告や、蒸留専用機の工程調査等の報告があり、今後の課題を明確化していました。

 

　

 

 続く真空サークルは松原リーダーが発表しました。真空熱処理歪に対して長尺のテストピースを用いて焼入れ歪を低減する対策を、母分散の検定を用いて対策の有効性を判定していました。

ゼロベースの取組みも重点思考により抽出した取り組みの結果を失敗のエピソードも含めての発表でした。

 

　

 

 前半最後の発表は高周波サークルで宮野リーダーが、高周波焼入れにおける様々な問題に果敢に挑戦した一年を振り返りながらの説明でした。

特にメーカー製造の量産品用加熱コイルでも複数あれば個体差があることや、同一コイル、同一条件であっても別の日には硬化層パターンに差異が生じること、中空部品の焼入れ失敗から学んだ改善など苦労話が散りばめられた発表でした。

 

　

 

 休憩を挟んで司会は金田課長に交代して進められていきました。

先ず、浸炭サークルです。松本浩隆君が発表デビューすると続いてベテラン大久佐君が後半部分の発表でしたが、想定外に早く終わりそうになり第三工場のあるあるネタで時間を引き延ばして減点を免れる強かさで会場を笑いを誘っていました。

長尺依頼品の歪対応や治具セットのワッカ忘れの対策としての治具の開発に、イニシャルコストとランニングコストを考慮してもメリットがある品質対策が、腰痛対策にもにつながった事例発表でした。

 

 

　　

 

 続く業務サークルでは、部署目標について武部リーダーが久しぶりの発表でした。

ゼロベースの取組みとして、出荷品のダブルチェックを廃止した取り組みをデータに基づき、ダブルチェックは無駄があったかも知れないこと、顧客に依頼品の包装や表示の変更に協力してもらい、受入検査の時間短縮につながることなどの発表でした。

 

　

 

 最後は窒化サークルの発表を提嶋新リーダーが、安全衛生、品質、ゼロベースへの取り組みなどを発表しました。

特に今までの作業を見直し過剰品質であったかも知れない前準備の簡素化に成功した2つの事例を金額ベースで説明したり、時間外勤務の削減に対し顧客納期を厳守するための早出勤務の矛盾などの苦労を説明していました。

 

　

 

 発表終了後に生田工場長が総評として、それぞれのサークルに対しての感想をコメントしました。全体を通じて内容が充実していてレベルの高い発表であったこと、納期遅延の取組では発生0件であったことは素晴らしいと強調されました。

 

 　

 

 各部署長による採点結果が発表され、今年の最優秀サークルには真空サークルに輝き、優秀サークルに浸炭サークルが決定しました。

森脇理事長から各リーダーに賞金と発表賞が手渡されました。

最後に理事長からの感想並びに挨拶があり、毎年レベルアップする様を確認しているが、今年は特に素晴らしい発表が多くとりねつの職員を頼もしく思ったと感想を述べて頂きました。

 

　　

 

　　

 

 2020年度の発表会を無事に終了しましたが、共通項目である労働安全衛生の時間外勤務時間の削減や有給休暇の格差縮小、品質目標の不適合ポイント、約束納期遅延率0.5%以下、日常設備点検内容の内容検討会などを真剣に取り組んでいました。

また、改善効果を金額換算で示したサークルが多く、ゼロベースの取組みとともにコストダウンの意識が定着したことも嬉しく感じました。

各サークルの発表に対し活発な質問や感想のコメントが出ました。特に発表サークルの取組みを褒める意見も多く会場が終始、一体感のある雰囲気で進められました。

この雰囲気が商工中金殿の「幸せデザインサーベイ」において最高ランクの得点を取得できたムードかも知れないと実感できるサークル発表会になりました。