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「刃物鋼の品質調査・解析事例」講習会 2024/1/20

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一昨年まで日立金属株式会社(現:株式会社プロテリアル)で技術サービスなどをご担当されていた鳥取県産業振興機構のコーディネーター山根邦生様をお招きして「刃物鋼の品質調査・解析事例」と題した技術講習をしていただきました。
“刃物鋼の品質調査・解析”とは、包丁や鎌などの刃こぼれやヘタリなどのトラブルの原因を明らかにするために、幅広い冶金的な知識やマクロ・ミクロの金属組織の状態を観察するための資料づくりの技能を必要とする高度な仕事で、本日は材質による炭素量や金属組織写真の解説を中心にお話をしていただきました。特に熱処理に由来する事故例を多く取り上げていただき、最終的な焼入れ焼戻しの熱処理だけではなく、素材の焼準や球状化焼鈍などの中間熱処理も加熱温度や冷却速度により得られる金属組織が異なるため、トラブルの原因にもなり得ると強調されていました。
その他にも中国国内に“ヤスキハガネ”は高級ブランドの鋼材として普及しているが、トラブルが発生すると先ず「鋼材が悪い」と決めつけるユーザーに対して、熱処理の他にも使用方法や管理方法に起因するトラブル事例が多数あり、その真因を特定して指導するという仕事の苦労話についても興味深く拝聴いたしました。
最後に「鋼を活かすも殺すも熱処理」次第であると結んでいただき、私たちは改めて自分たちは熱処理のプロとして“鋼を活かす”大事な役割を担っていることに自負と責任を感じることができました。

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山根様にはご講演に対して心より感謝を申し上げ、今後のご活躍をお祈りすると同時に、県内の企業様にもこのご講演を聞いて頂きたいと思いました。